東洋精密工業 BLOG

ステンレスって何?

当社で一番多くエッチング加工に使用している金属材料が「ステンレス」です。
日常生活でも良く耳にする単語かと思いますが、じゃあ「ステンレスって何?」と訊かれた時、すぐに答えられる人は少ないかも知れません。
ということで今回は基礎編。「ステンレス」のお話です。

さてステンレスですが、これを英語で書くと「stainless steel」となります。
「stain」が「錆び」、「less」が「~しない」という意味なので、全体では「錆びない鉄」という意味ですね。
日本語では「steel」の部分は略して「ステンレス」というのが一般的です。

ステンレスの定義は国際的に決まっており「クロム含有量が 10.5 %以上、炭素含有量が 1.2 % 以下の鋼」ということになっています。
この「クロムが含まれている」というところがステンレスをステンレスたらしめているキモの部分で、クロムが表面に「不動態被膜」というものを作り、錆びやすい鉄の成分を保護することでステンレスに錆に強い性質(=耐食性)を与えています。

一般的には、というか私もこの業界に入るまで「ステンレス」というのは「よくキッチン用品などに使われている金属」という程度の認識で、ステンレスに種類があるなどと考えたことも無かったのですが、実はクロム以外にも様々な元素を加えることで色々な性質を持ったステンレスが作られており、その数はなんと100種類以上になるそうです。

JIS規格ではステンレス鋼のことを「SUS(Steel Special Use Stainless)」と呼ぶことになっており、この「SUS」の後に数字や記号を付けて鋼種を区別しています。
当社でよく使用するステンレス鋼としては磁石に付くSUS430、磁石に付かないSUS304の2種が最も多く、共にエッチングでの加工性に優れ、価格的にも(ステンレスの中では)手頃、入手可能な板厚のラインナップも豊富と、とても使い勝手の良い材料です。

その他、更に硬度の高いSUS301系やSUS630系、耐食性の高いSUS316系などのステンレス鋼を使用することもあります。

尚、規格として存在はしていても、エッチング向きの薄い板材は生産されていない鋼種などもありますので、エッチング加工を前提とした材料選定の際には注意が必要です。

JISで規格された鋼種以外に各材料メーカー独自規格のステンレス鋼などもあり、一口にステンレスと言ってもとても奥が深いものです。
「このステンレスは入手できるのか」とか、「このステンレスはエッチングできるのか」とか、分からないことがあれば弊社営業担当者までお気軽にご相談ください。

私たちも全てを把握できている訳ではありませんが、分からない時は全力で調べます。

それでは、また。

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