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溝掘り!流路!!エッチング加工

貫通穴を開けるだけでなく、「途中まで掘る」というのもエッチングの特技の一つです。
いわゆる「ハーフエッチング」という加工で、加工のメカニズムはとてもシンプル。
簡単に言うとエッチング加工する時に材料の表と裏でマスキングのパターンを変えているだけなんです。

このハーフエッチング、何が良いかというと穴開けたい放題のエッチング多孔板の時と同じで、面内にどれだけたくさん溝を掘っても(基本的には)コストに影響しないんです。
部品の全面にびっしり溝を掘りたいような時、切削加工で1本ずつずっと掘っていくのはとても気の長い作業になりますし、お値段も高くなってしまいがち。でもエッチングなら溝一本でも全面びっしりの溝でもほとんど変わらないようなお値段で対応できてしまうんですね。

溝を掘ってどうするか、というと、これがまた色々な使い方があるのですが、最も代表的なところでいくといわゆる「流路」としての用途でしょうか。
文字通り何かを「流す路(みち)」ですが、このエッチングで作った流路を何層も拡散接合で重ね、それぞれの層に交互に温度の違う液体を流して「熱交換器」の部品にする、という使われ方が一番多いように思います。

他にもヒートシンクベイパーチャンバーなどの放熱部品に用いられたり、燃料電池関連でセパレーターや反応器の部品として使われたりするなど、意外と幅広いところでハーフエッチング品が便利に使われています。

まぁ、元をたどれば現代の工業的エッチング加工のご先祖様である腐食銅版画も非貫通片面彫りのエッチング版を使っていたわけですから、ある意味ハーフエッチングはとても由緒正しい加工と言えるのかも知れません。

金属の溝加工、掘り込み加工でお困りの方、是非とも弊社営業担当者までお気軽にご相談ください。

それでは、また。
 
 
 
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