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やってみた企画 第1弾③「銅材4種類 観察してみた」

 

前回のあらすじ

仏 洋:前回はSUS3種類の観察をして、材質の違いやエッチングの特性が分かったね。今回は銅材4種類を観察していきます。

▼前回の記事はこちら

やってみた企画 第1弾②「SUS材 3種類 観察してみた」

 

サンプル紹介~観察するポイント~

1枚のエッチングサンプル上で、次の4箇所を観察します。

スリット

ハーフエリアにスリット

ハーフ裏スリット

ハーフ段差・外形端面

ハーフ=ハーフエッチング部(板厚の途中まで掘る加工)

 

サンプル紹介~銅材4種類~

観察するサンプルは次の4種類です(板厚はすべて0.3mm)。

C1020

C1100

C2801

C5191

C1020C1100は赤っぽい色味、C2801C5191は黄色っぽい色味という違いがあります。

 

技術コラム~あをによし~ 材料毎の特性について

  C1020 C1100 C2801 C5191
一般名 無酸素銅 タフピッチ銅 真鍮 リン青銅
主な組成 (99.96%以上) (99.90%以上)
-
酸素(0.020.05%)
(60%)-亜鉛(40%) (92%)-スズ(5.57.0%)
-
リン(0.030.35%)
特徴 極めて高い導電性・熱伝導性を持ち、加工性に優れる 高い導電性・熱伝導性を持ち、加工性・耐食性に優れる 延性・めっき性・耐食性に優れる 特にばね性が高く、耐摩耗性・疲労特性に優れる

一般的な材料特性です。

C1100C2801は耐食性に優れる材料ですが、耐食性の高さとエッチングのしやすさは必ずしも一致しません(後述)。

 

技術コラム~あをによし~ C1020C1100の違い

  C1020 C1100
一般名 無酸素銅 タフピッチ銅
主な組成 (99.96%以上) (99.90%以上)
-
酸素(0.020.05%)
特徴 極めて高い導電性・熱伝導性を持ち、加工性に優れる 高い導電性・熱伝導性を持ち、加工性・耐食性に優れる

C1100は曲げや絞りなどの加工性に優れる材料です。ただし酸素を含むため、600℃以上に加熱すると水素脆化(水素の発生により材料が脆くなる現象)を起こす点に注意が必要です。

 

端面状態の比較~スリット~

垂直・平行はロール方向に対するスリット方向を指します。

スリット部:4種類とも、銅もSUSと同様に角が丸まっており、材質による大きな違いは見られませんでした。

 

端面状態の比較~ハーフエリアにスリット~

ハーフエリアにスリット:C2801C5191は表面がやや ザラついた質感が見られますが、それ以外に大きな違いはありません。

 

端面状態の比較~ハーフ裏のスリット~

ハーフ裏のスリット:C1100C2801は加工しにくいのではと思われましたが、綺麗な仕上がりで、通常のスリット()と比べても大きな違いは見られませんでした。

 

端面状態の比較~ハーフ段差・外形端面~

ハーフ段差・外形端面:ここでも4種類の間に目立った差はありませんでした。

 

観察結果

観察結果:仕上がりに差はない!!

C1100C2801は「耐食性に優れる」とされる材料ですが、今回の観察では4種類とも仕上がりに差はありませんでした。エッチングでは、耐食性の高さが必ずしも加工性に影響しないことが分かります。

 

技術コラム~あをによし~ 銅4種類の使用用途について

  C1020 C1100 C2801 C5191
一般名 無酸素銅 タフピッチ銅 真鍮 リン青銅
使用用途 非常に高い気密性や清浄性が求められる製品に使用される 電気を通すことを目的とした製品に使用される 装飾品としても使用される 繰り返し力が加わる通電部に使用される
具体例 半導体装置部品、真空装置 等 精密機器の端子、放熱板 等 電気回路、各種機構部品、装飾金具、5円玉 等 コネクタ、スイッチ、精密ばね 等

C1020は非常に高い気密性や清浄性が求められる半導体装置部品や真空装置に、C1100は電気を通すことを目的とした精密機器の端子や放熱板に使用されます。C2801は装飾用途にも使われ、5円玉もC2801製です。C5191は繰り返し力が加わるコネクタやスイッチ、精密ばねなどに使用されます。用途に応じて各材料の特徴を活かし使い分けられています。

 

銅材4種類まとめ

銅材は色味に特徴があります。

C1020(無酸素銅)赤桃色

C1100(タフピッチ銅)赤桃色・光沢あり

C2801(真鍮)黄金色

C5191(リン青銅)赤みがかった黄金色

そのほかの特徴は次の通りです。

・銅もSUSと同様に、加工後に角が丸まる

・銅4種の仕上がりの差はほぼなし。用途に応じて、各特徴を活かし使い分けている

どの材料を使用すれば良いかはお気軽にご相談ください!

 

次回予告

次回は「オリジナル名刺 作製してみた」を予定しています。乞うご期待!

to be continued…

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