エッチング加工と拡散接合による厚板積層流路の事例

製造事例

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厚板積層流路

本サンプルは、2.0㎜厚のステンレスにエッチングで流路を掘り込み、更に複数枚を拡散接合で積層した厚板積層流路です。
厚板積層流路は液体や気体の通路として熱交換器や燃料電池の部品（インターコネクタ/セパレータ）などに用いられています。

流路を掘り込むには材料を貫通させずに途中までエッチングする「ハーフエッチング」という加工方法を用います。
広い面積を一度に加工できることから、他の加工に比べコスト、リードタイムの面で有利です。

また、加工部にバリが発生しない為、拡散接合等で接合する際の接合面の平坦性を維持することができ、接合性の向上に寄与します。

ハーフエッチングと通常の貫通エッチングを同一面内に混在させられますので、積層流路内を三次元的な流路構造にすることも可能です。
ハーフエッチングの深度は通常のプロセスで板厚の7割程度となりますが、ご要望に応じて深度を調節することもできます。

サンプル表層のロゴはレーザーマーカーで刻印しました。
レーザーマーカーでは絵柄や文字の他、バーコードやQRコードなどを刻印することができ、製造工程内での治具管理や製品のトレーサビリティ確立に活用いただいています。
　
☆ちょこっと用語解説
拡散接合（熱圧着）
密着させた金属部材を高温で加熱しながら加圧し、密着面の原子の拡散を利用して接合する技術です。

熱交換器
加熱や冷却などを目的に、高温側から低温側に効率よく熱を移動させる機器です。
液体や気体などの流体を用い熱エネルギーを継続的に交換する構造を持ちます。